Portal好きの日記

Portalやゲームに関することを書いてく日記 ゲームのレビューとかもするかも

間違ったマーケティング、ゲーム内での説明不足といった二重苦を背負ってしまった 、(個人的)良ゲーLeft Aliveについての感想

 

 

このゲームを新品3000円台で買って、先週くらいにクリア、これを書いてる時点では2周目も終わらせて、3周目に挑戦しています。

このゲーム、世間での評価が色々と残念なんですが実際に遊んだ身としての感想は、結構面白いし、少し手直ししたらAmazonの星の数が平均4~5になりうるポテンシャルがあるゲームだと思うんですよね(大きく手直ししなくても、うまくやれば星3~3.5くらいにはなったんじゃないかとは思う)。

じゃあなんであんなクソゲーとして歴史に残りそうな評価になったんだって思う人もいると思うので、「どこを良いと思ったか」、「このゲームには何が欠けていたのか」といったことを個人の考えとして簡単にまとめてみます。

 

 

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AmazonからとってきたLeftAliveのパッケージ画、ゲーム内容はスタイリッシュなパッケージが与える印象と大きく異なるものになっていた

 

そもそもLeftAliveとはどういうゲームなのか

クソゲーとして叩かれちゃって、これがどんなゲームなのかも分からずにこのゲームを避けてる人もかなり多いと思います。なので、このゲームを自分の理解した範囲で簡単に説明すると、「敗戦国に取り残された敗戦国民として虐殺を続ける敵国の軍隊からなんとかして生き残る」ゲーム、もっと簡単に言えば「サバイバルアクション」です。

敗戦国という状況からなのか、敵の強さ>>>>>>プレイヤーの強さであり、そういった状況を道具、銃、アクションで潜り抜けていき、生き残った達成感を味わおう!って感じのゲームだと思ってます。

 

Left Aliveの良い点

物事をLeft Aliveルールで考えると楽しめるようになっている

今出てきた新しい日本語、Left Aliveルールというのは多くのゲームには存在せず、Left Aliveのみで通用するものです。

有名なのだと「スライディングで敵が吹っ飛び、追い打ちを決めることにより、かなり楽に敵一人を倒せる」ですかね。

その他にも「空き缶などの音が聞こえるとみんなその音源付近に集まる」、「滅茶苦茶目はいいが、後ろで鳴る音に関しては気付きづらい」みたいなのがあります。

アホみたいな高難易度のゲームですが、その高難易度をLeft Aliveルールを駆使し乗り越えていき、プレイしているうちにまた新しいLeft Aliveルールに気付き、生き残るための自らの知識とする...これがLeft Aliveの最高の楽しみといえるでしょう。

ただまあ近代的なビジュアルの兵士なのに、このLeft Aliveルールが通じるのかよ!?ってなる場面もありますが、そういったのも込々でLeft ALiveルールです。

 

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スライディングですっ飛ぶ敵
マップに他のプレイヤーの死んだ場所や兵士が警戒している場所がわかる

最初にも書きましたが、このゲームって敵が信じられないほど強くてクリアした人は100回以上敵に倒されてると思います。

普通は何の情報もないマップを見て、手探りでルートを考えないといけないんですが、このゲームは敵の警戒度とほかのプレイヤーの死んだ場所が表示されており、それらを参考にすればある程度は安全に進めるルートが理解できるようになってます。

この2つの要素を組み合わせた安全な場所の確認とルート構築が楽しいです。

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マップを見ると、みんながどこで死んだかわかるのは個人的には面白くて好きだ
思った通りに事が進んだ時の喜びがすごい

これはどのゲームでも当てはまることですが、難易度が高いほどクリアした時の喜びは大きいです。このゲームはよく分からないまま戦場にほっぽりだされるゲームなので、壁にぶち当たる回数が多く(クリアするだけなら楽だけど、多くを求めるならきついっていうバランスではなく純粋にきつい)、それゆえにクリアできた時の喜びはすごいです。一部のステージは難易度がとびぬけて高かったりもするので、そういったものを乗り越えたときの喜びは半端じゃないです。

生存者関連の要素が面白い

このゲーム、戦場に取り残されている生存者を助ける、助けないっていう選択ができるんですけど、生存者を助けても大したメリットがないようになってます、エンディングで主人公たちのその後が変化するぐらいです。助けるメリットがないんでプレイヤー側はとりあえず助けそうだし助けよって助けてもいいし、弾薬とか少ないから囮にして、敵の注意がそれてる間に自分だけ逃げよう、みたいなのもできちゃいます。

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右の方にいるのが生存者、一部を除いてかかわることにメリットはなく、囮にするとサクサク攻略できるたりする

助けるor助けないがプレイヤーの良心の問題になってるのは面白いと思いました。

それで救出した人間はストーリークリア後にその後どのような生活を送ったかが見れちゃうんですよ。みんな、助かったぞ、ハッピーエンドだ!みたいなその後を送ってるわけじゃなく、色々あったけれどもハッピーな人もいれば、戦争による心傷に悩まされ故郷から出ていった人や、家族を失った悲しみからか自殺する人なんかもいます。

こういった生存者のその後はテキストだけでしか語られませんが、その人ごとの人生が見えるので個人的には好きなポイントです。

微妙に感じた点

一部のLeft Aliveルールがビジュアルとあまりあっていない

ここは気になる人も結構いるんじゃないかなってポイントです

スライディングですっ飛ぶ敵に、音に引き寄せられる敵...こういったLeftAliveルールですが、近代的なビジュアルをした人間の見た目をしている敵に通じるので、不思議な感じになります。

敵がゾンビだったりモンスターならば音に引き寄せられたり、スライディングで吹っ飛んでも違和感は少ないのですが、ストーリーもシリアスで、敵が人間なだけに敵がスライディングですっ飛んだり、敵が音に引き寄せられていくことに違和感を覚える人は多かったんじゃないでしょうか。

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音につられ、集まったところを火炎びんで燃やしている図、冷静に考えるとおかしい光景だ
ゲームの楽しみを理解し辛い

このゲームはプレイヤーが戦場にほっぽりだされ、その状況を何とかして生き延びるゲームなのですが、プレイヤーに対してのLeftAliveのもつ面白さへの誘導が不十分に感じました。

このゲームって開発が面白いと思ったことを一応形にしてはいるんですが、理解し辛い面白さなんですよね。自分がこの記事の最初にいった通り、このゲームって「敗戦国に取り残された敗戦国民として虐殺を続ける敵国の軍隊からなんとかして生き残る」ゲームなんですよ、敵を倒すのが目的ではなく、生き残るのが目的のゲームです。

ただゲーム内でそれを理解できるかっていうとそうでも無く、かなりの回数を死んだり、Amazonでの好評レビューを見たりなんかして気付くことができるゲームになっちゃってるんですね。このLeftAliveがどのようなゲームなのかはゲーム内で、もしくはチュートリアルで教えるようにしてほしかったです。

どんな優れたボードゲームでも遊び方が分からなければ只のガラクタも同然ですし、このLeftAliveがどのように楽しむかがプレイヤーに理解できなければ、それはただの劣化メタルギアソリッド(以下MGS)でしかないんです。ここら辺の説明がなされないまま劣化MGSとして遊んでる人は多かったと思います。

基本のセーブがセーブポイント式である

これは地味ながらも結構なマイナスポイントだと思ってます。

開発としては、生存者に話しかける前にセーブされて、選択肢を間違ったとしても簡単にやり直されるのを避けよう、または事前にセーブしてからやみくもに突っ込むようなプレイをさせるのではなく、慎重に行動してもらおうと考えてたんだと思います。

ですが実際にプレイした身としては、

生存者に話しかける前にセーブポイントへ行きセーブ→話しかける→失敗したらまたセーブポイントからやり直すになるだけです。セーブポイントから生存者への距離が遠かったりしたら単純に手間が増えるだけなんですよね。

やみくもに突っ込む場合にしても同じです、敵をある程度排除、誘導してからセーブポイントに戻り、目的地へやみくもに突っ込んでみるだけなのでセーブポイントへ行く手間が増えるだけです。

 

まあ、手間をかければそういったリトライをやれるようにするゲームデザインを目指したのかもしれませんが、個人的には「周りに敵がいなく、警戒状態でも戦闘状態でもないのならばセーブができる」くらいでよかったんじゃないのと思っちゃいます。

 

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セーブポイント、マップには3つ程度しかない

マーケティングに関する不満

自分はこのゲームの売り方にも少し疑問に思うことがあります、あくまでゲーム外の要素であり、ゲームに関する感想ではないので読み飛ばしてもらっても大丈夫です。

このゲーム、フロントミッションの世界観でのサバイバルアクションゲームっていう感じで宣伝されてるサイトがそこそこあるんですよ

PS4版「LEFT ALIVE」の発売日が2019年2月28日と発表。「フロントミッション」の流れを汲むサバイバルアクション - 4Gamer.net

スクエニ新作『LEFT ALIVE』先行プレイー過酷な戦場で極限の緊張感を味わえる硬派なサバイバルACT | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

 

でも実際に出来上がったゲームに関しては、ヴァンツァーに一応乗ることのできるサバイバルアクションゲームなんですね。

個人的には中途半端にフロントミッション要素を入れるくらいなら、ヴァンツァーを完全に取っ払って、フロントミッションとは全く関係ないゲームとして作ってほしかった。

ぶっちゃけた話、このゲームはフロントミッションシリーズのファン向けの作品ではなく、高難易度戦場生き残りサバイバルゲームを楽しめる人間に向けたマーケティングが必要だったような気がしてきます。

ですが、スクウェア・エニックスさんが意図したかどうかは知りませんが、フロントミッションのファンが買ってしまうようなマーケティングをしてしまったんですね(実際にどれだけのフロントミッションファンが買ったかは、Amazonの低評価レビューを見ればよく分かります)。

また、パッケージの絵がMGSのイラストを描かれていた新川さんのイラストなので、MGSっぽいゲームなんだろうなっていう先入観を持った人も多かったんじゃないでしょうか。

これは勝手な推測ですが、このゲームを発売日に買った人の多くはフロントミッションの世界観でMGSが楽しめるゲーム、または1ステージに1回くらいはヴァンツァーに乗れるロボゲーとTPSのハイブリッド形式のゲームだと思って買った人は多いと思ってます。

 

 何故低評価が多くなったか

ここまで読んでくれた人は察してくれるかもしれませんが、このゲームはゲームの面白さが理解し辛い状態である製品を、ゲームの対象となるターゲット層でない人間に売ろうとしてしまった部分が大きいんじゃないでしょうか。

ほかのゲームで例えると「バイオハザード」を好む人間に、イメージが「バイオハザード」で実際の中身が「MGS」になってるゲームを売りつけても全く評価してもらえません。プレイヤーは「バイオハザード」基準で評価するからです。

そして、このゲームもイメージが「MGSとフロントミッションのハイブリッド」で、実際の中身が「Left Aliveという挑戦作」といった形で発売されてしまい、多くの人には「MGSとフロントミッションのハイブリッド」として評価される形となってしまいました。

ましてやこのゲームは改善部分が多くみられる発展途上の挑戦作なのですから、売るならばこれがLeft Aliveというゲームなんだとマーケティング、ゲーム内で全力で説明し、理解させるようにするべきだったと思います。

そうしなかった結果、買った人の多くは「フロントミッション要素が薄い高難易度アクションゲーム」を「ゲームの面白さが分からないままやり続ける」といった地獄のような状況になり、評価がダダ下がりになったのだと思ってます。

 

最後に

このゲームに低評価が多いのは事実ですし、実際に問題点や不満点も結構あります。

面白さが分かり辛いってのはゲームとしては致命的な欠点であるともいえますし、自分がこのゲームを結構良かったと思ってるのも、たまたまLeftAliveのゲーム性が自分の好みと合致しただけでしょう。

ですが、自分はこのLeft Aliveというゲームが結構お気に入りですし、続編が出るならフルプライスで買おうかなと思わせるくらい好きです。

このゲームは万人が遊べないクソゲーではなく、新しいものに挑戦した結果生まれたモノなのです。当然いろいろと気になることはあるでしょう、ですがAmazonで2000円台になってますので、いろんなレビューを見てみて、こういう形のゲームが遊びたい!と思ったのならば、買って損はしないと思います(絶対に面白いという保証はしませんが)。

 

この記事を読んで


気になったところなどありましたら気軽に教えてください

 

 

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3人の主人公でグッドエンドを迎える実績も開放済み、個人的にはトロコンまで遊びたい
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