最高のゲームPortalがPortal2になっても最高のゲームであり続けた理由と、それらの個人的な批評
この記事は、僕が考えて続けていた、Portal,Portal2に関しての意見だったり、思いだったりを一まとめにして、批評という形でまとめたものです。
一応ネタバレとかには配慮していますが、「ゲームの前情報を一切入れずにプレイした際の楽しさ」、みたいなのが損なわれる可能性は十二分にありますので、Portal1,2をプレイされてなく、"どんなゲームかを知りたいだけ"ならば「そもそもPortalってなによ」の部分だけを読んでいただきたいです。
当たり前ですが、この批評は個人の意見なので「そんなわけねーだろ!」って思われたのならば、どのようにしてそう思ったかをコメントなどに書いてくだされば幸いです。
そもそもPortalってなによ
読んでくれてる人の中にはPortalってなんぞやって思ってる人もいるかもしれないんでザっと説明すると、「決められた壁や床にワープホール(ポータル)を作成する装置(ポータルガン)を使って、パズルを解いていく一人称視点のゲーム」です。
このワープホールはオレンジ,青の2つを作ることができて、
オレンジ→青への移動、青→オレンジへの移動ができちゃいます。
下の図のような使いかたをすれば、オレンジのポータルを使って移動することにより、左正面に見えている不安定な足場を渡ることなく向こう側へ行けちゃうわけです。すごいですね。
パズルに出てくる道具、仕掛けはポータルガンだけでなく色々あるのですがここでは割愛します。
とりあえずは、「ポータルガンとかいうすごい道具を使ってパズルを解くゲームなんだな」くらいの認識でいいです。
これだけ理解すれば、僕が書いたことがある程度は分かりやすくなると思います。
初代Portalは完成されたゲームだった
初代Portalって完成されたゲームなんですよね。
まず、レベルデザインが非常に優れていました。
「ポータル、ポータルガンというこれまでのゲームで存在していなかったであろう要素を使い、パズルゲームを遊ばせる」ってことを考えた際に、プレイヤーがどうやったらポータルを理解できるかってことがすごく考えられてるんですよ。
例えば、「ユーザーを足止めして、ポータルが作られる様子を見せる」、「ポータル間で運動量が保存されることを何回も説明する」、「難しめのパズルを解かせる際には前のステージで出てきたことを考えれば解けるようにする」、「新しくパズルに使う道具が出てきたときは、その道具のみを使うステージにする」、これらのような、基本的だけど初見でもすらすら遊ばせるためには大事なことだよねって思うことを全部実現してるといっても過言じゃないんですね。
全19ステージにおいて、ポータルガンの青色のみが打てるようになるのがステージ2から、青とオレンジ色のポータルが打てるようになるのがステージ11をクリアしてからなんですよ。そこまではパズルに使う道具の説明であったり、ポータルの基本原理を延々と学ばせる。これによってユーザーはレベルの上昇に対応でき、ポータルの仕様を完全に理解し、パズルを解いて気持ちよくなれちゃうわけです。
マップデザインも優れています。主人公がいる場所はAoerture Scienceっていう研究所のテストをする場所なんですね。テストをする場所っていう設定なので、マップには余計なものであったり、余計な装飾が極力排除されているんですよ、上の「そもそもPortalってなによ」の部分に添付した画像を見ると分かると思うんですけど、壁や床は一面真っ白で、足場の下には落ちたら死にそうな色をした水があるのが分かると思いますここには映ってませんが、ポータルを作成できない壁や床はは黒っぽくなってます。
全パズルステージがこんな感じで、プレイヤーをパズル以外の要素で混乱させようとしていないんですよ。
ストーリーを進めるとごちゃごちゃした場所も出てきちゃうんですけど、そこのパズルの難易度は大きく下がってます。「パズルが難しめなら、プレイヤーはすぐに周りから情報を得られるようにする」、「ごちゃごちゃしているならば、プレイヤーが周りの状況を把握すればすぐにパズルが解けるようにする」、この2つは徹底して守ってます。
ストーリー体験も最高です。一人称なんで、プレイヤーがストーリーに没入しやすいってのは元からあると思うんですが、このゲームは操作キャラ=プレイヤーを感じさせようとかなりこだわってるんですよ(このこだわりに関しては、おなじValve社のゲームであるHalf-lifeシリーズにおいても同様に、こだわられてます)。
まずストーリーは、プレイヤーが動かし、見聞きした部分でしか語られません。プレイヤーが操作できないタイミングでストーリーが進行するってことがまず無いんですよ。「主人公が起こされる」、「ポータルガンを入手する」、「敵となるキャラと初めて遭遇する」などなど..全部が主人公の一人称で進みムービーも流れません。「ほかのキャラの心情を描いたムービー」なんかも一切なしです。Aperture Scienceというものを知るために重要なものが存在していても、プレイヤーがそれを発見しない限り、それらはその人のストーリーに存在しないんです(ただしゲーム側も、そういった要素にはある程度の誘導をしてくれてたりもする)。
それに加え、主人公は全く喋らないようになってます。
これがどういうことかって、喋らないので、操作するキャラにはそのキャラ自身の意思が存在しないんですよ、「プレーヤーの行動=操作キャラの意志であり、行動」になるわけです。
ストーリーを作り出すのが、どっかから聞こえてくるアナウンス、プレイヤーの見聞きしたものしかないんですね。ストーリー自体はあいまいな部分を結構残して終わっちゃうんですけど、操作キャラ=プレイヤーを徹底的にこだわってるんで最高のストーリー体験ができちゃいます。
長く書いちゃいましたけど、要するに「レベルデザインとマップの作りも最高、おまけにストーリー体験も最高、最高のゲームじゃん!」ってことです
Portal2も完成されていた、だけど初代Portalとはちょっと違う
Portal2ですが、初代Portalの続編ってことで前作とは何らかの差別化をする必要があるわけですよ。
単純に前作から難易度を上げるのでもいいし、前作にない要素を追加する、でもなんでもOKです。ただしプレイヤーは、どこかの部分で前作を超えた作品ってのを強く望んでます。
そこでValveが実現した大きな差別化ってのが"Portalを使ったパズルアクションゲーム"だった初代Portalを、Portal2では"パズルアクションアドベンチャーゲーム"にしちゃおうってことなんですね。
初代Portalの根幹であったポータルガンを使ったパズルアクションは、ポータルガンとその他のものを使ったパズルアクションへと変化しました。仕掛けの数もかなり増え、前作にあったプレイヤーが即死し得る一部仕掛けの削除もあり、さらにはポータルガンを使わずとも三次元的な移動を可能にする仕掛けもあります。
これにより、パズルを解く際に求められていたアクション要素は控えめになり、逆に仕掛けをどのように組み合わせるかが求められるようになります。
もちろんポータルガンは使うんですが、そのほかの要素が多くなりすぎて、ポータルとしてのパズルアクション要素は薄くなっちゃった感じがしました。その代わりにパズル自体の完成度は大きく上がってます。これは、「ポータルを知らない人間が遊ぶために作られた作品」から「ポータルを知っている人に向けての作品」になったがための変化だと思ってます。
じゃあ仕掛けが増えた分をどうやってプレイヤーに説明し、すいすいと遊べるようにするかっていう問題が出てきちゃいます。必要なステージの数も増えますし、前作と同じように延々とプレイヤーをテストの被験者として拘束すると、前作のプレイヤーにとってはすでに体験したストーリーの引き延ばしであり、飽きが来るんですよ。
そこで最初の方に述べた通りのアドベンチャー的要素の追加です、Portal2は前作と同様の舞台であるApertureScienceの様々な場所を巡るApertureScienceツアーのようになっており、場所が変わることによってプレイヤーは飽き辛くなります。それに加えストーリーに関わる登場人物とその回数を増やしました。初代でのストーリーに出てきたキャラって「主人公」、「謎のアナウンス」「コンパニオンキューブ」「セントリータレット」ぐらいです。まともに喋るキャラクターである「謎のアナウンス」と対面できるのは、かなーり最後の方なんで実質自分一人だけでストーリーが動いてたんですよね。
2では操作チュートリアルの後、新しいキャラクターの「Wheatley」がやってきます。
こいつ、相当うるさい奴で色々な話を主人公に語り掛けてくるんですよ。ただ、こいつは明確な目的である「Aperture Scienceから脱出する」という目的を持っておりプレイヤーに協力を持ちかけてます。Wheatleyとの雑談を聞きながら協力していると、プレイヤーの目的も自然と「Aperture Scienceから脱出する」といったものになります(ただし、この目的は前作からの続きと考えれば当然でもある)。
プレイヤー一人でのストーリーだったPortalから、プレイヤーと相棒のストーリーへと変化するんですね、さらには前作に出てきた「謎のアナウンス」も早々に正体を表し、出てきます。
謎のアナウンスは前作と同じですから、主人公の事はもちろん知ってますし、前作とは違い、主人公に明確な意思を持って語り掛けるようになります。
ストーリーの中心となるキャラが増えたので、主人公以外のその2人で会話をすることも、もちろんあります。
これらの変化により多くを語らないストーリーであった前作から、多くの事を語るストーリーに変化しました。キャラクターデザインも優秀で、キャラの印象も強く残るようになってます。また、ApertureScienceのいろいろな場所を巡れるのですから、そこでの新しいストーリーもプレイヤーは見ることができます。まさしくアドベンチャーです。
前作が持っていたストーリーへの没入感はそのままといっても過言ではないほどに高いので、ストーリーに没入できる、傑作アドベンチャーゲームになってます。
もう一つ前作になかったのが2人での協力モードの存在です、本編に出てきた仕掛けを使うので、本編をクリアした人向けの作りなのですが、かなり完成度が高くなってます。
僕も友達と遊びましたが、一緒にパズルを解くってかなり楽しいんですよ。
お互い脳みそを使って解法を考えますし、それが解けた際には、滅茶苦茶気持ちよくなれます。さらにはその喜びをすぐに共有できちゃうんですね。プレイヤーが飽きないように、アナウンスもある程度のストーリーを示しながら、かなりコミカルにこちらを煽ってきます。これによって黙々とパズルを解くだけの協力プレイではなく、パズルを解く目的を示してくれるんですよ。
一緒にパズルを楽しみながら、一緒にストーリーも楽しめちゃう最高のモードになってます。
まとめると、Portal2は前作にはなかった優れたアドベンチャー要素と、完成度の高い協力モードを加え、前作と並びたてるような最高の作品であり続けたってことです。
その代わりに、上で述べた通りに、ポータルを使ったパズル要素が薄まっちゃったりもしていますが、パズルだけを求めるなら、ユーザーがパズルを作り、公開してあるそれらを遊べるモードがあるので、ある程度は解決できちゃいます。
最後に
こんなよく分からないブログの約5000文字にもなるこの記事を読んでくださってありがとうございます。
思うがままに書いたので読みづらかったりしたかもしれませんが、許してください。
蛇足ですが、Portal2が最高である理由にキャラクターデザインの良さがどのように優れているかを書こうと思っていたんですが、キャラクターの受け取り方って人それぞれなんであまり長々と書くのはやめ、キャラクターデザインが良いという文だけにとどめました。書いてほしい人がいてくだされば、追記などの形式で書くと思います。
気になった方は是非プレイしてください。
どちらもsteamで結構安めに買えちゃいます
最初にも書きましたが、誤字脱字の指摘や思うところがあれば、コメントなどをくださると、とんで喜びます。