Portal好きの日記

Portalやゲームに関することを書いてく日記 ゲームのレビューとかもするかも

トロコンした今、改めてLeft Aliveを考える

タイトルにも書きましたが、Left Aliveのトロコンをついに達成いたしました!

実績メインでプレイしだすと、いろいろと余計なことをしないといけないので億劫になっていましたが、無事に達成できたので良かったです。

トロコンを目指している間に、このゲームはいったい何なのか、どうしてこのゲームを自分は面白いと感じたのか、ゲームの面白さとは、これが目指していたものは何だったのか、みたいなことをずっと考えてましたので、それらを改めて記事にしたいと思い、書きました。

 

 

僕が前回書いたLeft Aliveの記事はここから見れます

katsuoprogrammer.hatenablog.jp

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Left Aliveのパッケージ画

 

個人的なLeft Aliveの評価

前回の記事で、僕はこのゲームを(個人的)良ゲーという意見で記事を書きましたが、トロコンをした今でもその考えは変わっていません

ただし、このゲームはいろいろなシステムを盛り込んだ挑戦作であり、人を選ぶゲームであると考えています

自分がこういう考えをしている人であるということを踏まえて以下の記事を読んでいただければ、幸いです。

 

当たり前ですが、以下の文章はすべて個人の意見です。

そもそもこのゲームは何なのか

Left Aliveをクリアした人はこのゲームを細かく分解すると、どのゲームに近いのか?みたいなことを考えたはずです(考えてなかったらごめん)。

しかし、このゲームにビジュアルが似ているゲームはあったとしても、同じジャンルのゲームだと認識できるものは思いつかないのではないでしょうか。パッケージの絵は似てるけどメタルギアソリッドでもなく、同じく難易度が高いとされるDemon's Soulsもシステムから大きく違いますし..

そういったことを考えていてついに結論に達しました、このゲームはTPSという土台の上に成り立つジャンル「Left Alive」というゲームだと!前回の記事でもそれっぽいことは書いていましたが、プレイするたびにこんなゲームやったことないな...っていう思いが強くなります。

プレイヤーがこのゲームにどのような評価をつけるかは「Left Alive」というジャンルが受け入れられるかどうかに全てがかかっています。

 

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こういう奇妙な光景も「Left Alive」の楽しみの一つだ



Left Aliveのゲーム性をDemon's Soulsと比較し、考えてみる

 ここでLeft Aliveのゲーム性をDemon's Souls(以下デモンズソウル)と比較して考えていきたいと思います(デモンズソウルを全く知らない人はごめんなさい)。

「なんでデモンズソウルなんだよ、最近SEKIROとか出たし、フロムゲーならもっと新しいのがいっぱいあるだろ」って思う人もいるはずなので弁明すると、僕がソウルボーンと呼ばれるフロムゲーたちの中で、一番好きなのがデモンズソウルだからっていう理由です。

 

こう書くと、「デモンズソウル=Left Aliveって考えてんの?」と思われるかもしれません。

個人の考えですがデモンズソウルは高難易度ゲームとして完成された出来であり、LeftAliveはいろいろと改善点があるゲームだと考えていますし、どちらも高難易度ゲームだとは思いますが、死ぬ回数はデモンズソウルの方がはるかに多いと思ってます(まあジャンルが違うものを無理やり比較してる時点でおかしいとは思う)。

 

デモンズソウルとLeft Alive両者ともに、単純なアクションの腕を上げるだけでなく、位置取りとか、道具の使いかたを把握することによるプレイヤースキルの向上、それにより高い壁を乗り越えさせる達成感を得ることに楽しみを見出させるゲームだと個人的に考えていて、デモンズソウルは上昇したプレイヤースキルで敵を倒すゲームなのに対し、Left Aliveは上昇したプレイヤースキルで、リソースの消費を抑え、敵との無理な戦闘は避けるようにするゲームです。

 

ここが大きく違うポイントです、デモンズソウルは敵を倒すことにリターン(お金やアイテムの取得、安全に道を通れるなど)がありますが、Left Aliveにおけるリターンは(一定確率でアイテムがもらえる、安全に道が通れるようになること)だけです。

 

またデモンズソウルで敵を倒す際には、こちらが使うリソースである武器の耐久度、体力だとかの再補充が容易であることが多いです。何なら特定のルートを通り、同じ敵を倒し続けるといった、マラソンと呼ばれる行為まで存在しますし、使った道具の多くはお店で再補充できちゃいます。つまりは敵を倒すためのリソース<リターンのゲームデザインです

 

しかしLeft Aliveの敵は一定確率でアイテムを落としますが、多くの場合は敵を倒すのに使うリソースの方が多くなります。つまりは敵から拾える弾よりも敵に打ち込んだ弾の方が多くなります。

またデモンズソウルのようにマラソンによるアイテム稼ぎは無く、道具はフィールドに落ちているものや、アイテムボックスに入ってたものを拾う以外の補充手段も無いため、戦闘を起こすことのメリットはかなり少ないです。要するに敵を倒すためのリソース>リターンのゲームデザインです。

 

他にも違う個所はあります、デモンズソウルにはゲームオーバーはありません、プレイヤーは生身で死んでもソウル体となり、冒険は続きます。

しかしそのステージは、ショートカットなどを開通していない限り最初からやり直しです。ですが、デモンズソウルにおいて死んだ際に学んだ知識は無駄になりません。

敵に囲まれて死んだのなら敵を分散させてから戦う、罠で死んだのなら罠を避けていく、あの敵は危険だから喧嘩は売らないなど...こういった知識を得てプレイヤーは徐々にステージを乗り越え、ショートカット開通までたどり着き、やがてはステージのボスを打ち負かし、クリアします。そこで出てくる「THE DEMON WAS DESTROYED」の文章を見て、プレイヤーは1つの戦いが終わったことが分かり、手を休ませ、達成感に浸ります。

デモンズソウルは高い難易度を乗り越えた区切りに達成感を味合わせることに力を注いでます、その手段が地獄のような難易度を乗り越えた先の「THE DEMON WAS DESTROYED」であり、プレイヤーは同じ達成感を味わうために、また地獄のようなステージへ挑戦します。またステージ自体も慎重に攻略すれば、クリアはできることを学んでるんでどんどん挑戦したくなります。

 

一方でLeft ALiveはかなり違います、このゲームは生身で死ぬとそのままゲームオーバーで、最後にセーブしたエリアからやり直しです。ただし、そのステージの進行度はセーブした地点から始まります、デモンズソウルみたいにやり直しにはなりません。

 

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セーブポイント、ここから何回もやり直すことになる


デモンズソウルが知識の獲得、ショートカットの作動などにより少しずつステージを攻略するゲームならば、Left Aliveは知識を獲得し、無事にセーブポイントからセーブポイント、または目的地へ渡り歩くことを目的として、少しずつステージを攻略するゲームだといえるでしょう。

 

このゲームは基本的にはTPSであるので、敵に見つかってない状態でプレイヤーが取れる行動ってのは多くなってます。敵を集めて火炎瓶で燃やすか、もしくは敵の注意をそらして駆け抜けるか、目的地への別ルートを探すか、銃撃戦で強行突破をするかなど...、色々な選択肢がありますが、見つかった場合には選択肢の数は激減します、逃げるか敵を倒すかです、TPSなので仕方ないことではありますが。

この選択肢の激減がデモンズソウルとの大きな違いでしょう、デモンズソウルでは敵に見つかる前と後で選択肢が大きく減るなんてことは無いです、気付かれただけなら、道具を使う準備だってできますし、どれだけ多くの敵に気付かれても逃げることができますし、間合いに近づかれない限りは安全です。

しかし、Left Aliveは見つかった瞬間に隠れるか殺すかのどちらかを考えないといけません。何せ、敵は銃を持ったろくでなしどもです、敵が気付く=敵の間合いに入ることと同義ですし、3人ぐらいに囲まれるとハチの巣になって死にます、考えなしに走って逃げようとしても背中から銃弾の雨を食らって死んだりもします。

これより、Left Aliveがゲームのシステムの中心として考えているのは、敵と関わることを避ける、敵>>>自分となっている戦場内で多くの選択肢の中から最適解を選び、切り抜けていく体験をさせることだったのでしょう

デモンズソウルでの高い壁はダンジョンを探索しボスを倒すことでしたが、Left Aliveでの高い壁とされる要素は、生き残ることが難しい中で生き抜くということです。

このゲームが目指したのは不利な状況から生き残る達成感だったのです

つまり、Left Aliveはデモンズソウルと違い、プレイヤーは非力な存在で、敵を倒すのが中心でないゲームシステムを目指していたのだと思います

 

 

プレイヤーは超人か?それとも非力な存在か?という問題

 

 

デモンズソウルと無理やり比較してLeft Aliveのゲーム性を説明しましたが、Left Aliveが敵>>>主人公の状態を作り出し、敵を倒すことが中心でないゲームを目指して、特別でない一般人が戦場を生き残るというのをコンセプトとしたとき、個人的に気になることが出てきます。

 

「一般人であるからゲーム内では弱くあるべき!」みたいなことではなく(肩書一般人が無双するゲームもあるしね)、ゲームのコンセプト上、プレイヤーは敵の軍勢に対して非力な個人であるという事を受け入れたうえでの話です。

 

それは、ゲーム内における主人公たちの行動(ストーリーの流れ、ステージ内容)はどう考えても超人であり、ヒーローに近いものであるということです。スライディングで歩兵を吹っ飛ばせるなどのシステム面の事ではありません。

一応、三人の主人公は軍人、元軍人、傭兵ですので、ロケットランチャーとかの重火器が扱え、ヴァンツァーに乗れちゃうなんて言う部分は気にならないと思います。

 

これは一部チャプターにおいて、敵との正面衝突や、敵を全員排除しないといけないことがあるので気になった点です。

あくまで防衛戦やギミックを用いたボスであるチャプター4と6の防衛ステージ、14の最終決戦なんかは気になりません、こちらもトラップを張ったりできますし、事前に準備する時間を用意してくれるなら、やってくる敵を罠、道具で排除するというコンセプトで受け入れることができましたし、こちらの対抗手段が無い敵を助けを借りて倒すというのも良かったです。

 

ここで自分が言及したいのは、チャプター2,4,9,12,14の強制戦闘、排除の部分です。チャプター13の最後の戦闘も気になる人がいるかもしれません。

 

この部分では一般人であるはずのプレイヤーキャラが明らかに格上の相手を正面衝突で倒したり、敵を皆殺しにしたり、大量のヴァンツァーを破壊したりします。

 

この部分を考え出すと、Left Aliveのストーリー構成とゲームのコンセプトにどうしてもずれを感じてしまいます。

そりゃまあ生き残るために敵を倒さないといけない場面もあるでしょうが、いくら何でも回数が多すぎると思います。非力な存在であるはずの主人公たちですが、「こいつらがあと20人くらい居たなら戦争に勝ってたじゃん」と思うぐらい強制戦闘、排除が求められるシーンが多く疑問でした(ヴァンツァー1機で敵のヴァンツァー3,4機壊したりするしすげえよ)。

 

このゲームのコンセプトは生き残るためにできるだけ戦いを避けていくゲームだと考察しましたが、ギミックもない強制戦闘であったり敵を排除しないといけない場面などが多いと何を目指したのかがよく分かりません。

 

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大量の敵を排除しようとしている様子、果たして主人公は戦場に残された非力な存在なのか?

開発者はゲームにおける刺激として、強制戦闘を入れたのだと思いますが、正直言って敵>>>主人公のこのゲームでは余計なお世話な気がします。純粋にリソース管理の戦場脱出ゲームとして楽しませてほしかったです

 

どうしても強制戦闘を入れるなら、回数を減らすか、ギミックを使って敵を倒したりする、防衛戦でトラップなどを仕掛けられるといったステージを多くする工夫がほしかったです。

非力な存在であるはずなのに敵兵十数人に正面から喧嘩を売って勝つような流れにするのはおかしい感じです。

 

このゲームの脱落者がチャプター2で多いのも、この強制戦闘の難易度の高さ、コンセプトとあっていない感じを体験してしまうからだと思っています。

 

ただし、このゲームの所々に強制戦闘があるのには一応理由もあります

「LEFT ALIVE」はローグライクのようなゲームを目指したサバイバルアクション。ディレクターの鍋島俊文氏にインタビュー - 4Gamer.net

このインタビュー中に

 

鍋島氏:
 LEFT ALIVEでは,「目的を達成するための手段の多様性」と「リソースの管理と消費」をテーマにしているんです。
 ローグライクゲームにおいて,ダンジョンでの目標は“階段にたどり着く”ことであり,途中のモンスターは倒しても無視しても構いません。状況によっては戦わないことが賢明な場合もあります。その道中で,武器や食料といったリソースを集めていく。そして,どうしても戦わなければならないモンスターハウスのようなところで,溜めたリソースをつぎ込んで一気に勝負をかけるわけです。

 

と鍋島さんがおっしゃっている場面があって、文字通りLeft Aliveにおける強制戦闘は大量のリソースを吐き出すべき、使いどころであるようにする狙いがあると解説されています(詳しくは全文読んでね)。

 

これを読むと、強制戦闘を入れたかった理由もわかりますし、実際に強制戦闘がないとプレイヤーのリソースはあまりまくると思います。

ですが、もう少しこうプレイヤーは大量の敵を蹴散らすことのできる存在では無いということを中心にステージやストーリーを構成してほしかった気がして仕方ないです。

リソースをうまくやりくりし、吐き出すべきところで使うというコンセプトは実際に面白かっただけに残念です

実際、侵略されてボロ負けのはずなのに、敵軍はプレイヤー3人にかき回されまくってるんですよね。友軍は撤退したりしてかなり負けムードなのに、プレイヤー3人が大暴れしたおかげで、陰謀であったり軍の機密に迫ることができちゃいます。パッケージ裏に「敵に支配された戦場を生き残れ」っていうのが書いてあるんですが、そういうキャッチフレーズなら、もう少しストーリーの流れを変えてくれよなって感じですね。

 

このゲームは理不尽なのか?

初めに言いますがこの部分は個人の意見ダダ盛ですので注意してください。

 

最後にこの問題にも触れておきます。個人の意見ですが、このゲームは、道具を使用して、極力正面戦闘を避け、目的地に突き進むことを目指すゲーム(生存者は囮として使ってもよい)ととらえると理不尽ではないと思います。

ただし、ゲーム側はそういうゲームであることを十分に伝えていないです。

またゲームシステムの誤解を感じさせる要素も多いです

誤解を感じさせる要素というのは先ほどの「プレイヤーは超人か?それとも非力な存在か?という問題」でも述べた、ストーリーと、ゲームシステムのズレや、前回の僕の記事で述べた、マーケティング層とゲームシステムのズレなどがゲームシステムの誤解を感じさせる要因です。

 

「ゲーム側が十分に伝えてないってどういうこと?チュートリアルがあったじゃん」

みたいに思われる方もいると思います。ここで僕が言いたいのはレベルデザインの事です。

レベルデザインの定義ですが、難易度調整の事ではなく、そのステージをプレイしていくうえでプレイヤーが何を見て、どのように動くか、思ったりするかなどを考え、敵の配置位置や地形とかを作っていくことです。

シングルプレイヤーゲームには操作説明、文章におけるチュートリアルのほかに、レベルデザインによってプレイヤーを誘導し、体験させることでのチュートリアルがあると個人的に考えています。

 

レベルデザインによる体験型チュートリアルの優れた例は、Valve社のFPSであるHalf-Life2のチャプター6、「レーベンホルムには行かない」が優れていると思っていて(あとは同じValve社のPortalとかもすごく良い)、この「レーベンホルムには行かない」では、プレイヤーは周りの持ち運び可能なものをぶつけれたり、重いものを押したりできる道具「グラビティガン」を初めて手にします。

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モノをつかんで

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ポイッと投げられる



そして、このステージはFPSでありながらも「グラビティガン」のみで、銃を使わずともクリアできるように多くの工夫がされているのです。つまりは「レーベンホルムには行かない」というレベル自体がうまい具合に「グラビティガン」のチュートリアルになってます。

 

優れたレベルデザインはプレイヤーの体験をより良いものにするだけでなくチュートリアルにもなると個人的に考えていて、Left Aliveの序盤のレベルデザインが体験させることによるチュートリアルになっていたかは疑問を感じます。

 

つまり、このゲームは敵が固い、ステルスキルがない、敵のエイムが良すぎるから理不尽なのではなく、ゲーム側のチュートリアルの不十分さ、システムが要求するプレイスタイルとプレイヤーが考えるプレイスタイルのズレが発生したことによる理不尽だと感じてしまう状態。というのに近いと僕は思っています

最後に

この7000文字もの記事を読んでくださり、ありがとうございます。

この記事だけ見るとLeft Aliveアンチの人間みたいに思われますが、システムは個人的にかなり気に入り、楽しませてもらっただけに、残念だったなーと思ったところを書いた記事にしました。一応次回作が出るなら予約しようと思うくらいには好きですし、良いゲームだと思ってます。

このLeft Aliveというゲームのシステムは、間違いなく一定の人を夢中にさせるものを持ってると思います。

もちろん上で述べたようにチュートリアルの不十分さや、ストーリーとシステムのズレなんかもありますが、それを含めて「Left Alive」というジャンルだと受け入れ、楽しめるのならば、これは読んでくださっている人にとって良いゲームになるでしょう。

 

Amazonでみたところ2000円台なので令和になる前に挑戦してみてはいかがでしょうか。

 

この記事に関して何か意見などありましたら伝えてくださるとうれしいです。

 

追記 カジュアルモードについて

アップデートにより、このゲームがシューターライク(強化無しヘッドショットで一撃死が狙えるなど)にプレイできるカジュアルモードが追加されました。

チャプター1だけ遊んでみた感想としては、敵を積極的に倒しに行けるようになってしまい、Left Aliveの目指していたゲーム性は大きく損なわれてるんじゃないかと個人的に思いました。

極力敵に喧嘩を売るのを避けることを推奨したゲームシステムなのに、敵をなぎ倒せるのはやはり違和感があります。それこそプレイヤーは非力な存在であるはずなのに敵陣で大暴れしてる違和感を強くするだけです。

まあカジュアルだけシューターライク、そのほかの難易度は従来のLeft Aliveであると考えることもできますし、カジュアルモードが多くの人にとっての、Left Aliveを触る入口になってくれたならうれしいです

 

あと、もとからあった難易度を選択する際に、「敵との戦闘を避け、敵を観察し、切り抜けられる場所は無いか考えよう」みたいな文章も追加されました。

これはゲームシステムを伝えようとしてくれる追加要素なので嬉しかったです

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トロコンの瞬間、嬉しい

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CHARACTER DESIGN: YOJI SHINKAWA (KOJIMA PRODUCTIONS Co., Ltd.)

 

 

間違ったマーケティング、ゲーム内での説明不足といった二重苦を背負ってしまった 、(個人的)良ゲーLeft Aliveについての感想

 

 

このゲームを新品3000円台で買って、先週くらいにクリア、これを書いてる時点では2周目も終わらせて、3周目に挑戦しています。

このゲーム、世間での評価が色々と残念なんですが実際に遊んだ身としての感想は、結構面白いし、少し手直ししたらAmazonの星の数が平均4~5になりうるポテンシャルがあるゲームだと思うんですよね(大きく手直ししなくても、うまくやれば星3~3.5くらいにはなったんじゃないかとは思う)。

じゃあなんであんなクソゲーとして歴史に残りそうな評価になったんだって思う人もいると思うので、「どこを良いと思ったか」、「このゲームには何が欠けていたのか」といったことを個人の考えとして簡単にまとめてみます。

 

 

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AmazonからとってきたLeftAliveのパッケージ画、ゲーム内容はスタイリッシュなパッケージが与える印象と大きく異なるものになっていた

 

そもそもLeftAliveとはどういうゲームなのか

クソゲーとして叩かれちゃって、これがどんなゲームなのかも分からずにこのゲームを避けてる人もかなり多いと思います。なので、このゲームを自分の理解した範囲で簡単に説明すると、「敗戦国に取り残された敗戦国民として虐殺を続ける敵国の軍隊からなんとかして生き残る」ゲーム、もっと簡単に言えば「サバイバルアクション」です。

敗戦国という状況からなのか、敵の強さ>>>>>>プレイヤーの強さであり、そういった状況を道具、銃、アクションで潜り抜けていき、生き残った達成感を味わおう!って感じのゲームだと思ってます。

 

Left Aliveの良い点

物事をLeft Aliveルールで考えると楽しめるようになっている

今出てきた新しい日本語、Left Aliveルールというのは多くのゲームには存在せず、Left Aliveのみで通用するものです。

有名なのだと「スライディングで敵が吹っ飛び、追い打ちを決めることにより、かなり楽に敵一人を倒せる」ですかね。

その他にも「空き缶などの音が聞こえるとみんなその音源付近に集まる」、「滅茶苦茶目はいいが、後ろで鳴る音に関しては気付きづらい」みたいなのがあります。

アホみたいな高難易度のゲームですが、その高難易度をLeft Aliveルールを駆使し乗り越えていき、プレイしているうちにまた新しいLeft Aliveルールに気付き、生き残るための自らの知識とする...これがLeft Aliveの最高の楽しみといえるでしょう。

ただまあ近代的なビジュアルの兵士なのに、このLeft Aliveルールが通じるのかよ!?ってなる場面もありますが、そういったのも込々でLeft ALiveルールです。

 

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スライディングですっ飛ぶ敵
マップに他のプレイヤーの死んだ場所や兵士が警戒している場所がわかる

最初にも書きましたが、このゲームって敵が信じられないほど強くてクリアした人は100回以上敵に倒されてると思います。

普通は何の情報もないマップを見て、手探りでルートを考えないといけないんですが、このゲームは敵の警戒度とほかのプレイヤーの死んだ場所が表示されており、それらを参考にすればある程度は安全に進めるルートが理解できるようになってます。

この2つの要素を組み合わせた安全な場所の確認とルート構築が楽しいです。

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マップを見ると、みんながどこで死んだかわかるのは個人的には面白くて好きだ
思った通りに事が進んだ時の喜びがすごい

これはどのゲームでも当てはまることですが、難易度が高いほどクリアした時の喜びは大きいです。このゲームはよく分からないまま戦場にほっぽりだされるゲームなので、壁にぶち当たる回数が多く(クリアするだけなら楽だけど、多くを求めるならきついっていうバランスではなく純粋にきつい)、それゆえにクリアできた時の喜びはすごいです。一部のステージは難易度がとびぬけて高かったりもするので、そういったものを乗り越えたときの喜びは半端じゃないです。

生存者関連の要素が面白い

このゲーム、戦場に取り残されている生存者を助ける、助けないっていう選択ができるんですけど、生存者を助けても大したメリットがないようになってます、エンディングで主人公たちのその後が変化するぐらいです。助けるメリットがないんでプレイヤー側はとりあえず助けそうだし助けよって助けてもいいし、弾薬とか少ないから囮にして、敵の注意がそれてる間に自分だけ逃げよう、みたいなのもできちゃいます。

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右の方にいるのが生存者、一部を除いてかかわることにメリットはなく、囮にするとサクサク攻略できるたりする

助けるor助けないがプレイヤーの良心の問題になってるのは面白いと思いました。

それで救出した人間はストーリークリア後にその後どのような生活を送ったかが見れちゃうんですよ。みんな、助かったぞ、ハッピーエンドだ!みたいなその後を送ってるわけじゃなく、色々あったけれどもハッピーな人もいれば、戦争による心傷に悩まされ故郷から出ていった人や、家族を失った悲しみからか自殺する人なんかもいます。

こういった生存者のその後はテキストだけでしか語られませんが、その人ごとの人生が見えるので個人的には好きなポイントです。

微妙に感じた点

一部のLeft Aliveルールがビジュアルとあまりあっていない

ここは気になる人も結構いるんじゃないかなってポイントです

スライディングですっ飛ぶ敵に、音に引き寄せられる敵...こういったLeftAliveルールですが、近代的なビジュアルをした人間の見た目をしている敵に通じるので、不思議な感じになります。

敵がゾンビだったりモンスターならば音に引き寄せられたり、スライディングで吹っ飛んでも違和感は少ないのですが、ストーリーもシリアスで、敵が人間なだけに敵がスライディングですっ飛んだり、敵が音に引き寄せられていくことに違和感を覚える人は多かったんじゃないでしょうか。

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音につられ、集まったところを火炎びんで燃やしている図、冷静に考えるとおかしい光景だ
ゲームの楽しみを理解し辛い

このゲームはプレイヤーが戦場にほっぽりだされ、その状況を何とかして生き延びるゲームなのですが、プレイヤーに対してのLeftAliveのもつ面白さへの誘導が不十分に感じました。

このゲームって開発が面白いと思ったことを一応形にしてはいるんですが、理解し辛い面白さなんですよね。自分がこの記事の最初にいった通り、このゲームって「敗戦国に取り残された敗戦国民として虐殺を続ける敵国の軍隊からなんとかして生き残る」ゲームなんですよ、敵を倒すのが目的ではなく、生き残るのが目的のゲームです。

ただゲーム内でそれを理解できるかっていうとそうでも無く、かなりの回数を死んだり、Amazonでの好評レビューを見たりなんかして気付くことができるゲームになっちゃってるんですね。このLeftAliveがどのようなゲームなのかはゲーム内で、もしくはチュートリアルで教えるようにしてほしかったです。

どんな優れたボードゲームでも遊び方が分からなければ只のガラクタも同然ですし、このLeftAliveがどのように楽しむかがプレイヤーに理解できなければ、それはただの劣化メタルギアソリッド(以下MGS)でしかないんです。ここら辺の説明がなされないまま劣化MGSとして遊んでる人は多かったと思います。

基本のセーブがセーブポイント式である

これは地味ながらも結構なマイナスポイントだと思ってます。

開発としては、生存者に話しかける前にセーブされて、選択肢を間違ったとしても簡単にやり直されるのを避けよう、または事前にセーブしてからやみくもに突っ込むようなプレイをさせるのではなく、慎重に行動してもらおうと考えてたんだと思います。

ですが実際にプレイした身としては、

生存者に話しかける前にセーブポイントへ行きセーブ→話しかける→失敗したらまたセーブポイントからやり直すになるだけです。セーブポイントから生存者への距離が遠かったりしたら単純に手間が増えるだけなんですよね。

やみくもに突っ込む場合にしても同じです、敵をある程度排除、誘導してからセーブポイントに戻り、目的地へやみくもに突っ込んでみるだけなのでセーブポイントへ行く手間が増えるだけです。

 

まあ、手間をかければそういったリトライをやれるようにするゲームデザインを目指したのかもしれませんが、個人的には「周りに敵がいなく、警戒状態でも戦闘状態でもないのならばセーブができる」くらいでよかったんじゃないのと思っちゃいます。

 

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セーブポイント、マップには3つ程度しかない

マーケティングに関する不満

自分はこのゲームの売り方にも少し疑問に思うことがあります、あくまでゲーム外の要素であり、ゲームに関する感想ではないので読み飛ばしてもらっても大丈夫です。

このゲーム、フロントミッションの世界観でのサバイバルアクションゲームっていう感じで宣伝されてるサイトがそこそこあるんですよ

PS4版「LEFT ALIVE」の発売日が2019年2月28日と発表。「フロントミッション」の流れを汲むサバイバルアクション - 4Gamer.net

スクエニ新作『LEFT ALIVE』先行プレイー過酷な戦場で極限の緊張感を味わえる硬派なサバイバルACT | Game*Spark - 国内・海外ゲーム情報サイト

 

でも実際に出来上がったゲームに関しては、ヴァンツァーに一応乗ることのできるサバイバルアクションゲームなんですね。

個人的には中途半端にフロントミッション要素を入れるくらいなら、ヴァンツァーを完全に取っ払って、フロントミッションとは全く関係ないゲームとして作ってほしかった。

ぶっちゃけた話、このゲームはフロントミッションシリーズのファン向けの作品ではなく、高難易度戦場生き残りサバイバルゲームを楽しめる人間に向けたマーケティングが必要だったような気がしてきます。

ですが、スクウェア・エニックスさんが意図したかどうかは知りませんが、フロントミッションのファンが買ってしまうようなマーケティングをしてしまったんですね(実際にどれだけのフロントミッションファンが買ったかは、Amazonの低評価レビューを見ればよく分かります)。

また、パッケージの絵がMGSのイラストを描かれていた新川さんのイラストなので、MGSっぽいゲームなんだろうなっていう先入観を持った人も多かったんじゃないでしょうか。

これは勝手な推測ですが、このゲームを発売日に買った人の多くはフロントミッションの世界観でMGSが楽しめるゲーム、または1ステージに1回くらいはヴァンツァーに乗れるロボゲーとTPSのハイブリッド形式のゲームだと思って買った人は多いと思ってます。

 

 何故低評価が多くなったか

ここまで読んでくれた人は察してくれるかもしれませんが、このゲームはゲームの面白さが理解し辛い状態である製品を、ゲームの対象となるターゲット層でない人間に売ろうとしてしまった部分が大きいんじゃないでしょうか。

ほかのゲームで例えると「バイオハザード」を好む人間に、イメージが「バイオハザード」で実際の中身が「MGS」になってるゲームを売りつけても全く評価してもらえません。プレイヤーは「バイオハザード」基準で評価するからです。

そして、このゲームもイメージが「MGSとフロントミッションのハイブリッド」で、実際の中身が「Left Aliveという挑戦作」といった形で発売されてしまい、多くの人には「MGSとフロントミッションのハイブリッド」として評価される形となってしまいました。

ましてやこのゲームは改善部分が多くみられる発展途上の挑戦作なのですから、売るならばこれがLeft Aliveというゲームなんだとマーケティング、ゲーム内で全力で説明し、理解させるようにするべきだったと思います。

そうしなかった結果、買った人の多くは「フロントミッション要素が薄い高難易度アクションゲーム」を「ゲームの面白さが分からないままやり続ける」といった地獄のような状況になり、評価がダダ下がりになったのだと思ってます。

 

最後に

このゲームに低評価が多いのは事実ですし、実際に問題点や不満点も結構あります。

面白さが分かり辛いってのはゲームとしては致命的な欠点であるともいえますし、自分がこのゲームを結構良かったと思ってるのも、たまたまLeftAliveのゲーム性が自分の好みと合致しただけでしょう。

ですが、自分はこのLeft Aliveというゲームが結構お気に入りですし、続編が出るならフルプライスで買おうかなと思わせるくらい好きです。

このゲームは万人が遊べないクソゲーではなく、新しいものに挑戦した結果生まれたモノなのです。当然いろいろと気になることはあるでしょう、ですがAmazonで2000円台になってますので、いろんなレビューを見てみて、こういう形のゲームが遊びたい!と思ったのならば、買って損はしないと思います(絶対に面白いという保証はしませんが)。

 

この記事を読んで


気になったところなどありましたら気軽に教えてください

 

 

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3人の主人公でグッドエンドを迎える実績も開放済み、個人的にはトロコンまで遊びたい
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Portal2でのマップ作成において意識すべきこと

Portal2のコミュニティチェンバーを遊べるモードで、自分もいくつかマップを作りてえなって思った人は結構いると思います。

そこで、個人的に多くのマップを遊んできて得られた、こういうマップだったら遊んでくれる人は多いんじゃないの?みたいなことを書いていきたいと思います

といっても心構えの基本はここを見ちゃうだけで全部載ってるんですね

良質なマップを作成するためのガイドライン - Portal2 Wiki*

これさえ見れば、ある程度の心構えは分かっちゃいます。

ですのでここには載ってない、実際のマップではこういうのは良い、ダメってのに絞って説明します

 

あくまで僕の主観であり、自分はこういったマップがいいと思うよってだけなので、そこを踏まえて読んでくださいね

 

明確な理由もなしにタイマーを使うな

 

なんでか知らないんですけど、「難易度を上げたいから、とりあえず時間制限もうけとこ」みたいなマップって結構多いんですよ。個人的にはタイマーって解法が2つあるパズルの解放を1つにするために存在してると思ってるんですね。

例えば、すぐに思いつくけど実行するのに時間のかかる手順Aと、実行するのに時間はかからないけど思い付きづらい手順Bがあったとして、手順Bで解かせたいから実行するのに時間のかかる手順Aでは解けないようにタイマーを使い時間制限を設ける。

これはOKなんですが、解法はAしか存在しない、それだけだと簡単なので急いで動かないとクリアできないようにタイマーを入れて難易度を上げる。この難易度の上げ方ってプレイヤーからすると結構理不尽に思えて、解法は分かってるのに解けないみたいな状況になりがちなんですね。解法Aが難しいアクションを要求するのなら、マジでストレスしか感じなくなります。そもそもプレイヤーはパズルがしたいんであって、アクションをしたいならHalf-life2とかDOOMでも起動してそっちで遊びます。

 

コミュニティチェンバーにセーブ機能はないことを意識して

セーブできないのに、こちらを殺しにかかってくるマップって結構多いんですよ。

Aperture Science的にはそういったマップは正解だと思いますが、コミュニティチェンバーでは、正直やめてくれって思ってます。

初代PortalのmodにPortal preludeっていうアホみたいに高いアクション難度を持った、超傑作modがあるんですけど、そういったmodはゲーム内にセーブがあって、やり直しがきき、慎重に行動できるから許されてると思うんですよ。セーブができないPortal preludeは、難しすぎて面白くなくなると思います。

コミュニティチェンバーってプレイヤーが自由にセーブできないんで、「ある程度パズルを解かして、最後に難しいアクションに挑戦するマップ」で死んでしまった場合って、また最初からやらざるを得ないんですよね。(Modを入れるなどして、オートセーブを導入する手段もあるが、あくまでオートセーブなのである程度の面倒さはある)

 

ですので極力プレイヤーを殺しにかかる仕掛けってのはなくすべきだと考えてます。

もちろん、明らかな不注意とかで死ぬようにするってのはOKですけど、難しいアクションに失敗したら死ぬってのは、解く側からすると少し面倒に思えます。

 

難しいパズルが高評価なのではなく、納得できるパズルが高評価になる

アクション要素ダダ盛であったり、仕掛けを見づらくすることで、パズルに解く時間を増やすことは一応できちゃうんです。それこそ考えぬかれた難しい仕掛けと同じくらい解くのに時間をかけることはできます。

でもそういったマップって難しいけど理不尽なマップになっちゃうんですね。そういったマップよりかは本編に出てきた解法+αくらいの難易度でしかないけれども、理不尽でないマップの方が評価は良くなると思ってます。

Portal2のマップ評価って、「良かった」、「悪かった」の2つしかないんで、簡単だけど理不尽じゃないパズルって「どっちかと言えば良かったと思う」くらいにはなりますし、低評価をあんまりもらうことは無いです。(もちろんキューブをボタンに乗せるだけ、みたいな"簡単すぎる"ものは低評価貰っちゃうかもしれませんが)

 

最後に

僕が常々思ってることを3つぐらい書いてみました。これはパズルを作る際に当てはまる考え方で、コミュニティチェンバーでは演出に力を入れて、高評価もらってるチェンバーとかも結構あるんで、実際に高評価をもらう方法がパズルだけではないってところもありますが、パズルを作るときにはこういうのを意識するといいと思います。

 

最初に作るマップなんて、本編のマップに新しいパズルを追加したぐらいの難易度でOKですし、これまでに出てきたマップをほとんどやってる人なんて0に近いんですから、そういった人は気にしなくてもいいと思ってます。

 

僕はマップを遊ぶのが中心で全然作ってる人ではないんですが、どこかで解いたことあるな..みたいな感じがするマップでもよっぽど変なのじゃない限りは低評価つけませんし。

 

長々と書いちゃいましたがPortal2のマップ作成を楽しむきっかけになってくだされば幸いです。

 

最高のゲームPortalがPortal2になっても最高のゲームであり続けた理由と、それらの個人的な批評

この記事は、僕が考えて続けていた、Portal,Portal2に関しての意見だったり、思いだったりを一まとめにして、批評という形でまとめたものです。

 

一応ネタバレとかには配慮していますが、「ゲームの前情報を一切入れずにプレイした際の楽しさ」、みたいなのが損なわれる可能性は十二分にありますので、Portal1,2をプレイされてなく、"どんなゲームかを知りたいだけ"ならば「そもそもPortalってなによ」の部分だけを読んでいただきたいです。

 

当たり前ですが、この批評は個人の意見なので「そんなわけねーだろ!」って思われたのならば、どのようにしてそう思ったかをコメントなどに書いてくだされば幸いです。

 

 

 

 そもそもPortalってなによ

読んでくれてる人の中にはPortalってなんぞやって思ってる人もいるかもしれないんでザっと説明すると、「決められた壁や床にワープホール(ポータル)を作成する装置(ポータルガン)を使って、パズルを解いていく一人称視点のゲーム」です。

このワープホールはオレンジ,青の2つを作ることができて、

オレンジ→青への移動、青→オレンジへの移動ができちゃいます。

下の図のような使いかたをすれば、オレンジのポータルを使って移動することにより、左正面に見えている不安定な足場を渡ることなく向こう側へ行けちゃうわけです。すごいですね。

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青とオレンジのワープホール(Portal)が存在している状態

パズルに出てくる道具、仕掛けはポータルガンだけでなく色々あるのですがここでは割愛します。

とりあえずは、「ポータルガンとかいうすごい道具を使ってパズルを解くゲームなんだな」くらいの認識でいいです。

これだけ理解すれば、僕が書いたことがある程度は分かりやすくなると思います。

初代Portalは完成されたゲームだった

初代Portalって完成されたゲームなんですよね。

まず、レベルデザインが非常に優れていました。

「ポータル、ポータルガンというこれまでのゲームで存在していなかったであろう要素を使い、パズルゲームを遊ばせる」ってことを考えた際に、プレイヤーがどうやったらポータルを理解できるかってことがすごく考えられてるんですよ。

例えば、「ユーザーを足止めして、ポータルが作られる様子を見せる」、「ポータル間で運動量が保存されることを何回も説明する」、「難しめのパズルを解かせる際には前のステージで出てきたことを考えれば解けるようにする」、「新しくパズルに使う道具が出てきたときは、その道具のみを使うステージにする」、これらのような、基本的だけど初見でもすらすら遊ばせるためには大事なことだよねって思うことを全部実現してるといっても過言じゃないんですね。

 

全19ステージにおいて、ポータルガンの青色のみが打てるようになるのがステージ2から、青とオレンジ色のポータルが打てるようになるのがステージ11をクリアしてからなんですよ。そこまではパズルに使う道具の説明であったり、ポータルの基本原理を延々と学ばせる。これによってユーザーはレベルの上昇に対応でき、ポータルの仕様を完全に理解し、パズルを解いて気持ちよくなれちゃうわけです。

 

マップデザインも優れています。主人公がいる場所はAoerture Scienceっていう研究所のテストをする場所なんですね。テストをする場所っていう設定なので、マップには余計なものであったり、余計な装飾が極力排除されているんですよ、上の「そもそもPortalってなによ」の部分に添付した画像を見ると分かると思うんですけど、壁や床は一面真っ白で、足場の下には落ちたら死にそうな色をした水があるのが分かると思いますここには映ってませんが、ポータルを作成できない壁や床はは黒っぽくなってます。

全パズルステージがこんな感じで、プレイヤーをパズル以外の要素で混乱させようとしていないんですよ。

ストーリーを進めるとごちゃごちゃした場所も出てきちゃうんですけど、そこのパズルの難易度は大きく下がってます。「パズルが難しめなら、プレイヤーはすぐに周りから情報を得られるようにする」、「ごちゃごちゃしているならば、プレイヤーが周りの状況を把握すればすぐにパズルが解けるようにする」、この2つは徹底して守ってます。

 

ストーリー体験も最高です。一人称なんで、プレイヤーがストーリーに没入しやすいってのは元からあると思うんですが、このゲームは操作キャラ=プレイヤーを感じさせようとかなりこだわってるんですよ(このこだわりに関しては、おなじValve社のゲームであるHalf-lifeシリーズにおいても同様に、こだわられてます)。

まずストーリーは、プレイヤーが動かし、見聞きした部分でしか語られません。プレイヤーが操作できないタイミングでストーリーが進行するってことがまず無いんですよ。「主人公が起こされる」、「ポータルガンを入手する」、「敵となるキャラと初めて遭遇する」などなど..全部が主人公の一人称で進みムービーも流れません。「ほかのキャラの心情を描いたムービー」なんかも一切なしです。Aperture Scienceというものを知るために重要なものが存在していても、プレイヤーがそれを発見しない限り、それらはその人のストーリーに存在しないんです(ただしゲーム側も、そういった要素にはある程度の誘導をしてくれてたりもする)。

それに加え、主人公は全く喋らないようになってます。

これがどういうことかって、喋らないので、操作するキャラにはそのキャラ自身の意思が存在しないんですよ、「プレーヤーの行動=操作キャラの意志であり、行動」になるわけです

ストーリーを作り出すのが、どっかから聞こえてくるアナウンス、プレイヤーの見聞きしたものしかないんですね。ストーリー自体はあいまいな部分を結構残して終わっちゃうんですけど、操作キャラ=プレイヤーを徹底的にこだわってるんで最高のストーリー体験ができちゃいます。

 

長く書いちゃいましたけど、要するに「レベルデザインとマップの作りも最高、おまけにストーリー体験も最高、最高のゲームじゃん!」ってことです

 

Portal2も完成されていた、だけど初代Portalとはちょっと違う

Portal2ですが、初代Portalの続編ってことで前作とは何らかの差別化をする必要があるわけですよ。

単純に前作から難易度を上げるのでもいいし、前作にない要素を追加する、でもなんでもOKです。ただしプレイヤーは、どこかの部分で前作を超えた作品ってのを強く望んでます。

そこでValveが実現した大きな差別化ってのが"Portalを使ったパズルアクションゲーム"だった初代Portalを、Portal2では"パズルアクションアドベンチャーゲーム"にしちゃおうってことなんですね。

初代Portalの根幹であったポータルガンを使ったパズルアクションは、ポータルガンとその他のものを使ったパズルアクションへと変化しました。仕掛けの数もかなり増え、前作にあったプレイヤーが即死し得る一部仕掛けの削除もあり、さらにはポータルガンを使わずとも三次元的な移動を可能にする仕掛けもあります。

これにより、パズルを解く際に求められていたアクション要素は控えめになり、逆に仕掛けをどのように組み合わせるかが求められるようになります。

もちろんポータルガンは使うんですが、そのほかの要素が多くなりすぎて、ポータルとしてのパズルアクション要素は薄くなっちゃった感じがしました。その代わりにパズル自体の完成度は大きく上がってます。これは、「ポータルを知らない人間が遊ぶために作られた作品」から「ポータルを知っている人に向けての作品」になったがための変化だと思ってます

じゃあ仕掛けが増えた分をどうやってプレイヤーに説明し、すいすいと遊べるようにするかっていう問題が出てきちゃいます。必要なステージの数も増えますし、前作と同じように延々とプレイヤーをテストの被験者として拘束すると、前作のプレイヤーにとってはすでに体験したストーリーの引き延ばしであり、飽きが来るんですよ。

そこで最初の方に述べた通りのアドベンチャー的要素の追加です、Portal2は前作と同様の舞台であるApertureScienceの様々な場所を巡るApertureScienceツアーのようになっており、場所が変わることによってプレイヤーは飽き辛くなります。それに加えストーリーに関わる登場人物とその回数を増やしました。初代でのストーリーに出てきたキャラって「主人公」、「謎のアナウンス」「コンパニオンキューブ」「セントリータレット」ぐらいです。まともに喋るキャラクターである「謎のアナウンス」と対面できるのは、かなーり最後の方なんで実質自分一人だけでストーリーが動いてたんですよね。

 

2では操作チュートリアルの後、新しいキャラクターの「Wheatley」がやってきます。

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新しいキャラクター「Wheatley」

こいつ、相当うるさい奴で色々な話を主人公に語り掛けてくるんですよ。ただ、こいつは明確な目的である「Aperture Scienceから脱出する」という目的を持っておりプレイヤーに協力を持ちかけてます。Wheatleyとの雑談を聞きながら協力していると、プレイヤーの目的も自然と「Aperture Scienceから脱出する」といったものになります(ただし、この目的は前作からの続きと考えれば当然でもある)。

プレイヤー一人でのストーリーだったPortalから、プレイヤーと相棒のストーリーへと変化するんですね、さらには前作に出てきた「謎のアナウンス」も早々に正体を表し、出てきます。

謎のアナウンスは前作と同じですから、主人公の事はもちろん知ってますし、前作とは違い、主人公に明確な意思を持って語り掛けるようになります。

ストーリーの中心となるキャラが増えたので、主人公以外のその2人で会話をすることも、もちろんあります。

これらの変化により多くを語らないストーリーであった前作から、多くの事を語るストーリーに変化しました。キャラクターデザインも優秀で、キャラの印象も強く残るようになってます。また、ApertureScienceのいろいろな場所を巡れるのですから、そこでの新しいストーリーもプレイヤーは見ることができます。まさしくアドベンチャーです。

前作が持っていたストーリーへの没入感はそのままといっても過言ではないほどに高いので、ストーリーに没入できる、傑作アドベンチャーゲームになってます。

 

もう一つ前作になかったのが2人での協力モードの存在です、本編に出てきた仕掛けを使うので、本編をクリアした人向けの作りなのですが、かなり完成度が高くなってます。

僕も友達と遊びましたが、一緒にパズルを解くってかなり楽しいんですよ。

お互い脳みそを使って解法を考えますし、それが解けた際には、滅茶苦茶気持ちよくなれます。さらにはその喜びをすぐに共有できちゃうんですね。プレイヤーが飽きないように、アナウンスもある程度のストーリーを示しながら、かなりコミカルにこちらを煽ってきます。これによって黙々とパズルを解くだけの協力プレイではなく、パズルを解く目的を示してくれるんですよ。

一緒にパズルを楽しみながら、一緒にストーリーも楽しめちゃう最高のモードになってます。

 

まとめると、Portal2は前作にはなかった優れたアドベンチャー要素と、完成度の高い協力モードを加え、前作と並びたてるような最高の作品であり続けたってことです。

その代わりに、上で述べた通りに、ポータルを使ったパズル要素が薄まっちゃったりもしていますが、パズルだけを求めるなら、ユーザーがパズルを作り、公開してあるそれらを遊べるモードがあるので、ある程度は解決できちゃいます。

 

最後に

 こんなよく分からないブログの約5000文字にもなるこの記事を読んでくださってありがとうございます。

思うがままに書いたので読みづらかったりしたかもしれませんが、許してください。

 

蛇足ですが、Portal2が最高である理由にキャラクターデザインの良さがどのように優れているかを書こうと思っていたんですが、キャラクターの受け取り方って人それぞれなんであまり長々と書くのはやめ、キャラクターデザインが良いという文だけにとどめました。書いてほしい人がいてくだされば、追記などの形式で書くと思います。

 

気になった方は是非プレイしてください。

どちらもsteamで結構安めに買えちゃいます

 

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最初にも書きましたが、誤字脱字の指摘や思うところがあれば、コメントなどをくださると、とんで喜びます。

 

Portalというゲーム

自分が大好きなゲームに、Portalというのがある

一言でいえばパズルゲームなのだが、これがべらぼうに楽しい

ポータルガンというワープができる装置を使い、パズルを解くゲームなのだけれども、単純にそこらじゅうをワープしてるだけでも楽しい、何せ普通のアクションゲームだったらできないようなことがワープを使えばやりたい放題だ。

パズルの難しさも完璧で、最初はチンパンジーでも解けるようなものから、最終的には結構な難しさの謎解きができるようになる。

難易度の上昇の仕方が完璧なのだ、始める前は50くらいだったIQも終了後には200くらいになっていることだろう。

誰でも始めることができ、だれでもクリアできるパズルゲームといっても過言ではない。

 

Modとかも結構充実していて、結構遊べるゲームでもある、自分は45時間くらい遊んだ

とにかく最高のゲームだ、みんなもやろう。

 

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具体的な批評はまた後でPortal2とまとめて書く予定